- パンクしない自転車がほしいけどデメリットはあるの?
- ノーパンク自転車購入時の注意点を知りたい
- ノーパンク自転車のおすすめはある?
街中を走っていると、走っていてパンクしたのか自転車をひきずっているママさんや学生さんを目にすることがありますよね?
もちろん僕も通勤途中にパンクをしてしまったことが何度かありますが、その度に「パンクしないタイヤだったらいいのになあ…」と思ったり…。
自転車ショップで働いていると、特に通学自転車シーズン(3月頃)になると「ノーパンク自転車がほしい」という問い合わせも増加します。
ただし、僕が勤務しているショップではノーパンク自転車の販売はしていません。
それはノーパンクタイヤ特有のデメリットがあるためです。
デメリットの1つが「乗り心地がとにかく悪い」というもの。
中には、「とにかくノーパンクの自転車がいい!」と思い、何も考えずに購入してしまい、その後に後悔するというケースもあると思います。
そこで本記事では、パンクしない自転車を選ぶ前に知っておきたいデメリットについて解説!
デメリットも理解した上で、自分にとってノーパンクタイヤ、ノーパンク自転車が必要かどうかを決めていきましょう。
この記事を読めば以下がわかります!
- ノーパンクタイヤの乗り心地の特性
- 価格面でのノーパンクタイヤのデメリット
- ノーパンクタイヤの耐久性に関する誤解
- メンテナンスや交換時の特有の問題点
パンクしない自転車のデメリットとは?
「ノーパンク自転車」、「ノーパンクタイヤ」と聞くと、どんな印象を持ちますか?
通園時や通勤時の心配もなくなるし、めちゃくちゃほしい…。
そう思う人も少なくないでしょう。
ただ、パンクしないというのはメリットなのですが、実はノーパンクタイヤにはいくつかのデメリットもあるんです。
そのデメリットについては十分に理解されていないこともありますので、ここでは、ノーパンクタイヤの基本的知識とデメリットについて解説していきます。
ノーパンクタイヤの基本知識
ノーパンクタイヤは、その名の通り従来の空気入りタイヤとは異なり、パンクのリスクが極めて低いタイヤを指します。
このタイヤの最大の特徴は、内部に空気を入れる必要がない点!
具体的には、高密度のポリウレタンやゴムのような特殊な素材がタイヤの中に注入されており、これによりタイヤに空気部分がなくなって釘やガラスなどが刺さっても破損しにくくなるわけです。
この技術の背景には、従来の空気入りタイヤが持つパンクのリスクを排除し、サイクリストや通勤者の安全と利便性を向上させるという目的があります。
実際、年間で発生する自転車のパンク発生数は数十万件にのぼると言われています。
その一方で、ノーパンクタイヤは、一般的な空気入りタイヤと比べて乗り心地が硬く、また重量もやや増加する傾向があります。
これは、特殊な素材の性質や、タイヤの内部構造が一般的なタイヤとは異なるため。
特に、長距離を走行する際や、少しでもガタガタした道を走る際には、ノーパンクタイヤならではの特性を感じやすくなります。
乗ってみるとすぐにわかりますが、本当に乗り心地が硬いんです。
ノーパンクタイヤを装備した自転車について解説
ノーパンクタイヤを採用した自転車は、外観上は従来の空気入りタイヤを装着した自転車とほぼ同じで、外見だけを見てノーパンクタイヤとわかることはまずありません。
しかし、実際の走行性能や取り扱いにおいては、数多くの特徴が存在します。
まず、ノーパンクタイヤの最大の特徴は、その耐パンク性能です。
従来のタイヤが約5%の確率でパンクするのに対し、ノーパンクタイヤはその確率が0.1%以下!
これは、特殊な素材や構造により、シャープな物体に刺されても破損しにくいためです。
しかし、この耐パンク性能の高さと引き換えに、いくつかのデメリットも存在します。
- タイヤの硬さからくる乗り心地の劣化
- カーブ時のグリップ力の低下
- 従来の空気入りタイヤに比べて約10%重量が増加
乗り心地の悪さに加え、特に湿った路面や未舗装の道路での走行時には、スリップのリスクが高まる傾向があります。
スリップして転倒するリスクは高くなっていくわけですね。
またタイヤの中に特殊素材を入れるため重量も重たくなりますし、その分乗り心地も悪くなってしまいます。
長距離のサイクリング、ペダルの漕ぎ始め、坂道走行時には、その重量差をより大きく感じることになるので、ここも注意が必要です。
パンクしにくい自転車の評判は?
ノーパンクタイヤを採用した自転車は、「急ぎの時もパンクの心配がない」、「空気を入れる必要がなくてラク」という理由から、検討されることも多いです。
急いでいるときにパンクをしてしまうと、どうしたらいいか分からなくなりますよね…。
しかしながら、ノーパンクタイヤの採用による乗り心地の悪さや、タイヤの重量増加によるペダルの重さに関して、改善を求める声が少なくありません。
さらに、ノーパンクタイヤを装備した自転車の平均価格は、従来の空気入りタイヤの約1.5倍となっており、初期投資の高さも考慮する必要があります。
ノーパンクタイヤの寿命と耐久性は何年?
またノーパンクタイヤも一般的な空気が入ったタイヤと同様、寿命もありますし、そのタイミングで交換が必要となります。
中には「ノーパンクタイヤだから交換することなくずっと乗れる」と思っている人もいますが、そうではないので、注意してください。
ノーパンクタイヤは、その名の通りパンクのリスクが極めて低いため、従来の空気入りタイヤと比較して平均寿命は多少長くなっています。
自転車に乗る頻度にもよりますが、従来のタイヤが平均で1年程度の使用を見込めるのに対し、ノーパンクタイヤは約1年半程度の耐用年数が期待できます。
日常の小石やガラス片などの外部からのダメージに強く、タイヤの内部構造が破損しにくい特性を持っていますので、その分、耐久期間が長くなるわけです。
でも、そこまで大きい差があるわけではありません。
タイヤ自体は一般のタイヤ同様、走っていれば少しずつタイヤが摩耗していき、溝がなくなってきます。
タイヤが摩耗したタイミングでタイヤ自体の交換も必要となってきますが、ここでポイントになるのがタイヤの交換費用です。
ノーパンクタイヤ装備の自転車のタイヤ交換費用はいくら?
ノーパンクタイヤの交換費用は、従来の空気入りタイヤの約3倍ほどになってしまいます。
空気入りタイヤの交換費用が5,000円程度だとするとノーパンクタイヤの場合は15,000円が必要となるというわけです。
この価格差は、ノーパンクタイヤの特殊な素材、加工工程に手間がかかるため。
前後それぞれで費用が発生しますので、前後合わせて交換すると3万円以上の出費に!
さらに、ノーパンクタイヤの交換作業は、かなり特殊な作業となるため、通常のタイヤ交換とは異なる手順や工具が必要となります。
「サイクルベースあさひ」、「ダイワサイクル」のような大型専門店であっても対応ができないケースが多いので、近くにノーパンクタイヤの修理を行ってもらえるショップがあるかどうかも確認しておきましょう。
もちろん自分での交換はできませんので、基本的にはショップで交換してもらうしかありません。
ノーパンクタイヤの自転車は本当におすすめ?
ノーパンクタイヤの自転車は、その特性上、一部のユーザーには非常に便利であると言えます。
ただ、逆にデメリットもかなりありますので、購入を検討する際はしっかりとその特性を理解した上で選ぶことが大事です。
ここではもう一度、ノーパンクタイヤのメリット、デメリットを整理していきましょう。
ノーパンクタイヤのメリットとは?
- パンクの心配がゼロ
- 空気圧のチェックや空気入れが不要
- メンテナンスも少なくて済む
ノーパンクタイヤ最大のメリットは「パンクしない」という点に尽きます。
従来の空気入りタイヤは1年で1回~数回程度のパンクリスクがあるのに対し、ノーパンクタイヤはそのリスクをほぼゼロに抑えることが可能。
さらに、ノーパンクタイヤは定期的な空気圧のチェックや補充が不要であるため、メンテナンスの手間が大幅に削減されます。
日常のちょっとしたお出かけや買い物だけに自転車を使うという人には便利かもしれませんね!
また、ノーパンクタイヤは耐久性にも優れており、長期間の使用においても性能の低下が少ないとされています。
タイヤの交換頻度が低くなるのでメンテナンスも少なくて済む点も良い点です。
ノーパンクタイヤにはこのようなメリットが存在しますが、同時にデメリットも無視できないものがあります。
ノーパンクタイヤのデメリットについて
- 乗り心地が悪い。ペダルが重い
- カーブ時に滑りやすくなる
- 自転車購入時、タイヤ交換時のコストが割高
ノーパンクタイヤはその耐パンク性能から、指名買いをされることもありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。
まず、最も顕著なのが「乗り心地の硬さ」について!
従来の空気入りタイヤは、空気のクッション性により路面の凹凸を吸収しますが、ノーパンクタイヤはその構造上、このクッション性が低くなります。
結果として、特に石畳や未舗装路などの悪路では振動が直接体に伝わって乗り心地が最悪に…。
次に、「カーブでの安定性の低下」も問題点の1つです。
ノーパンクタイヤは、サイド部分の柔軟性が低いため、急なカーブや濡れた路面でのグリップ力が従来のタイヤに比べて劣ることがあります。
そのため雨の日のマンホールなどはめちゃくちゃ滑りやすくなりますので注意が必要です。
さらに、「価格の高さ」もデメリットの一つ。
ノーパンクタイヤは、その特殊な構造と素材のため、製造コストが高くなります。
実際、同じブランド・サイズの空気入りタイヤと比較して、ノーパンクタイヤは平均で約1.5倍程度の価格となることが多いです。
またタイヤの摩耗が進み、タイヤ交換が必要になった際のコストも高いのもネックになる可能性があります。
これらのデメリットを十分に理解し、自分自身の使用頻度や予算、乗り心地の好みなどを考慮した上で、どの自転車を選択するか決めていきましょう。
通常の空気入りタイヤとノーパンクタイヤの比較
自転車のタイヤ選びは、快適なサイクリング体験において非常に重要な要素となります。
特に通常の空気入りのタイヤとノーパンクタイヤの選択は、その後のメンテナンス頻度や乗り心地に大きく影響します。
ノーパンクタイヤと空気入りタイヤはこのような違いがあります。
これらの違いを踏まえ、自分の使用目的や予算、乗り心地の好みなどを考慮して、適切なタイヤを選択することが重要です。
評価の高い「アサヒサイクル ノーパンクタイヤ自転車 ビズストリート」
「アサヒサイクル」はノーパンク自転車の開発に力を入れているメーカーです。
本記事ではノーパンクタイヤ、ノーパンク自転車のデメリットについて解説してきましたが、アサヒサイクルではそのデメリットを改善したモデルも発売されています。
アサヒサイクルでは中心部分が空洞になった特殊なパンクしないチューブを開発し、従来のノーパンク自転車の乗り心地の悪さを改善。
また工具が必要になりますが、一般の自転車店での修理も可能になりました。
一般の空気入りタイヤに比べるとその差はあるものの、これまでのノーパンクタイヤに比べるとその乗り心地はかなりの改善がされています。
ノーパンク自転車の中ではおすすめできるモデルとなっていますので、このようなモデルを選ぶと良いでしょう。
ちなみに「アサヒサイクル」と「サイクルベースあさひ」とは別会社になります!
イオンバイクでパンクしない自転車は購入できる?
イオンバイクでは通勤自転車、通学自転車の開発に力を入れており、以前はオリジナルのノーパンク自転車の販売もしていました。
ただ、なかなかノーパンク自転車の定着がなかったため、現在はノーパンク自転車の販売は行っていません。
イオンバイクのオリジナル自転車に乗っている人も増えてきていますので、今後の需要のあるなしでノーパンク自転車の復活もあるかもしれないですね。
自転車のパンクしにくいタイヤとはどんなタイヤ?
自転車メーカーのカタログやWEBサイトを見ていると、「パンクしにくいタイヤ装備」と書いてることがよくあります。
パンクしにくいタイヤってどんなタイヤなの?
自転車のパンクしにくいタイヤは、その名の通り、従来のタイヤよりもパンクのリスクが低減されたタイヤを指します。
このようなタイヤは、先進的な技術や特殊な素材の採用により、従来のタイヤに比べて耐久性が高まっています。
具体的には、以下のようなタイプがあります。
- 耐摩耗性能を向上:タイヤ自体の耐摩耗性能を高め、タイヤがすり減る期間を長くしたタイヤ
- 耐突刺し性能を向上:タイヤを肉厚にし、突刺しパンクに強くしたタイヤ
- サイド部分の厚みを増加:空気が少ないときの衝撃によるパンクリスクを軽減したタイヤ
各メーカーではこのように、乗り心地をそのままにしながらもパンクリスクを少しでも軽減できるようなタイヤ開発を行っています。
パンクは嫌だけど、乗り心地もある程度重視していきたいという方は、このような「パンクしにくいタイヤ装備」の自転車を選ぶのがおすすめ。
ブリヂストン、パナソニック、ヤマハの自転車はパンクに強いタイヤを使っていることが多いですよ。
ただ、パンクリスクを減らすための最大の方法は、定期的に空気を入れることです!
1ヶ月に1回空気圧チェックをするだけでパンクの可能性を大きく下げることができます。
いつも使っている自転車のタイヤを指で押さえてみて、タイヤがぺちゃんこになるようなら、それはパンクしやすいタイヤです。
しっかりと空気を入れてから乗るようにしてくださいね!
ノーパンクタイヤ自転車のおすすめの使用シーン
ノーパンクタイヤの自転車は、その特性を活かすことができる特定のシチュエーションでの利用が特におすすめです。
- 都市部の短距離移動
- 都市部ではガラスの破片や釘などの異物が路面に散乱していることが多いです。
ノーパンクタイヤはこれらの異物によるパンクのリスクを大幅に減少させるため、近距離の通勤やお買い物などにはもってこいです。 - 荒れた路面の走行
- 砂利道や未舗装の道路など、路面状態が悪い場所での走行にノーパンクタイヤは適しています。
従来の空気入りタイヤよりも耐久性に優れているため、荒れた路面でも安心して走行できます。
災害時などには大活躍してくれるでしょう。
ただし乗り心地はよくありません。 - 長期間の放置
- 長期間自転車を放置する場合、空気入りタイヤは空気が抜けてしまうことがあります。
しかし、ノーパンクタイヤであれば、そのような心配は不要です。
これらのシーンを考慮すると、ノーパンクタイヤの自転車は日常生活の様々な場面でその利点を発揮します。
ただし、長距離のサイクリングやスポーツ用途での使用には向かないことも覚えておくと良いでしょう。
ノーパンクタイヤ自転車のおすすめできないシーン
ノーパンクタイヤ自転車は多くのメリットを持っていますが、全てのシチュエーションで最適とは言えません。
以下は、ノーパンクタイヤ自転車の使用がおすすめできない具体的なシーンです。
- 長距離のサイクリング
- ノーパンクタイヤは乗り心地が硬めであるため、長時間のサイクリングでは体への負担が増加します。
特に10km以上の長距離を走行する際には、従来の空気入りタイヤの方が快適です。 - 重荷物の輸送
- ノーパンクタイヤは、その構造上、重荷物を積載するとタイヤの変形や性能の低下が起こりやすくなります。
最悪、車輪自体が変形してしまい、修理に高い費用がかかってしまう可能性もありますので注意しましょう。 - スポーツ用途
- レーシングやマウンテンバイクなどのスポーツ用途での使用は、ノーパンクタイヤの性能を十分に活かせない可能性があります。
特に、高速での走行やオフロードでの使用には向きません。
パンクしない自転車のデメリットについて:まとめ
本記事のポイントを整理していきましょう!
ポイントブロックタイトル
- パンクしない自転車は価格が高い
- 乗り心地が硬く感じることがある
- 重量が通常の自転車よりも重い
- 修理や交換の際に専門的な知識が必要
- 一般的な自転車店では取り扱いが少ない
- 走行音が大きいことがある
- 転がり抵抗が大きく、ペダルを踏む労力が増える
- パーツの選択肢が限られる
- 乗車時の振動が大きい
- 長距離のサイクリングには向かない
- 空気圧の調整ができないため、乗り心地の変更が難しい
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